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その転職、正解⁉不正解⁉ ~転職を後悔した人の真実~

大正末期から昭和初期に形作られた「終身雇用制度」。
団塊の世代の方などは終身雇用制度の恩恵を受け、新卒から定年まで1つの企業で勤められることも多かったと思いますが、近年それは崩れてきていると言われています。

労働市場調査などを行っているリクルートワークス研究所による「全国就業実態パネル調査2019(https://www.works-i.com/research/works-report/item/190605_jpsed2019data.pdf)」のデータでは下記のようになっています。

「これまで一度も退職したことがない」と回答した人…雇用者全体の31.8%
正規雇用/男性48.1%、女性38.0%
非正規雇用/男性15.2%、女性10.9%

これまでの退職回数(雇用者全体)
1回 17.9%
2回 14.7%
3回 12.1%
4回 6.5%
5回 5.8%
6~10回 7.1%
11回以上 1.9%

上記データの通り、現代の職業選択において、転職は「当たり前」の選択になってきています。

しかし、転職が当たり前であったとしても、転職が正解だったか後悔の残る物だったかは人それぞれです。
情報をしっかりと取捨選択して、後悔の無い転職をする為に参考にして頂きたい内容をまとめました!

〇そもそもなぜ転職するのか

そもそも、人はなぜ転職するのでしょうか。

終身雇用という制度は長く続けることに価値を見出したり、長く続けることで会社も評価するという日本人の気質や社会の成り立ちと合っている部分が多かったのではないでしょうか。

しかし、現代では長く続けてくれている社員への評価が高くなくなってしまったり、終身雇用で約束されていた年功序列の評価や勤続年数に応じて支払われる給与がなくなったりなど1つの会社で働き続けるメリットがあまりなくなってきました。

また、インターネットが普及し自分の欲しい情報へ自分でアクセスできる情報化社会になったことでより多くの情報が手に入り、同じ年代の同じような経歴の人がどんな仕事をしてどんな報酬を得ているのかなどを知ることができるようになりました。

そのおかげで自分が受けている評価や報酬などが妥当なものなのか、といったことや、自社よりももっと良い環境の会社があるのではないかといったことが調べれば分かるようになってきました。

転職する方に共通するのは、何か「課題を解決したい」という気持ちがあることです。

例えば、
収入が少ない=収入を増やしたい
休みが少ない=休みを増やしたい
残業が多い=勤務時間を短くしたい
思ったような仕事ができない=やりがいのある仕事がしたい
人間関係が悪い=風通しのよい人間関係の中で集中して仕事に取り組みたい
同じ仕事ばかりで技術が上がっているように感じない=更にスキルアップしたい
といった内容です。

どれも、今ある現状を変えることで課題を解決したいと考えているということです。

課題を解決する為の一つの手段として存在するのが「転職」です。
転職を考える際によく理由に挙がる内容についてまとめてみました。

【最も多い転職理由6選】

 ・収入

これは生活がかかっているのでとても大きな理由ですよね。

一言で「転職理由=収入」といっても細かな理由は人それぞれです。
そもそも入社時から給与があまり高くなかった方もいらっしゃれば、入社後に業績の悪化などで給与が減額された方、ボーナスがあると聞いていたのに実際にはボーナスが支給されなかった方など、様々です。

また、年齢や家族構成、居住地などによっても違いがあり、要は「どれだけの給与で納得できるか」ということに尽きると思います。

ただ、注意が必要な点は、移り変わりの激しいこの世の中、「大手」と言われる企業でも急激な業績悪化や倒産は避けられないこともあります。
約束された安定はないものと心得ておく方が良いでしょう。

 ・休日、勤務時間

近年「ブラック企業」という言葉が独り歩きしている感があるのですが、「ブラック企業」とはこの休日や勤務時間のことを指すことが多くなっていると感じます。

具体的には、休日が少ない、残業が多い、有給休暇が取れない、勤務時間が深夜に及ぶ、といったことを理由に転職を考えられる方が多くなっています。
休日や勤務時間は業種や職種、仕事内容などに依る部分が大きく、同業界内、同職種ではなかなか改善しにくい側面もあります。

休日や勤務時間に関しては労働者の健康に深く関わる部分なので労働基準法という法律により定められています。

■休日…使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。

■労働時間の原則…使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
※ この他にも、変形労働時間制、フレックスタイム制、裁量労働制等があります。

時間外および休日の労働…使用者は、労使協定(いわゆる36協定)を締結し、これを行政官庁(労働基準監督署)に届け出た場合においては、その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
※ この協定の締結・届出なしに法定時間外労働や休日労働をさせることはできない。
※ 時間外労働(休日労働を含まない)の上限は、原則として、月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできない(中小企業は2020年4月から適用)。
※ 臨時的な特別の事情がある場合でも、
・時間外労働…年720時間以内
・時間外労働+休日労働…月100時間未満、2~6か月平均80時間以内
としなければなりません(中小企業は2020年4月から適用)。

■時間外、休日および深夜労働の割増賃金…使用者が、法定時間外労働、休日労働、深夜労働をさせた場合は、次のとおり割増賃金を支払わなければならない。
(1) 法定時間外労働 25%増し(※)
(2) 休日労働 35%増し
(3) 深夜労働 25%増し
(4) 法定時間外かつ深夜労働 50%増し(※)
(5) 休日かつ深夜労働 60%増し
※ 1か月の法定時間外労働が60時間を超える場合は、その超える部分については、時間外労働の割増賃金は、25%増しではなく、50%増し(中小企業については、2023年4月から適用)。

■年次有給休暇
使用者は、その雇入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。
※ その後、勤続年数が増加するに従って、年次有給休暇の付与日数は20労働日まで順次増加していきます。
※ また、パートやアルバイト等で週の所定労働時間が短い労働者にも、一定の年次有給休暇が付与されます。

上記のように法律で定められており、労働者は法律によって保護されているのです。
ただ、現実的にこの法律での上限と同じぐらい働くのは非常にハードで、会社側が変わらなければ「転職」という選択肢になるのも致し方ないのかもしれません。

特に健康や生活に直結する内容でもあるので、自分にとってどの程度が許容範囲なのか、明確にしておくのが大切になります。

 ・仕事内容

こちらも人によって様々ではあるのですが、よく耳にするのが環境や方針など様々な点から思うように仕事ができない、といった方やそもそも違う仕事にチャレンジしたいといった声です。

これはその方個人のやりがいといった部分に直結する内容になっており、例えば社内の環境改善を行ったり社内での異動で改善したりできることもありますがそれで納得が出来ない場合は「転職」という選択肢に繋がります。

ただ、この理由での転職は慎重になってもらうことをおススメしています。

というのも、条件などという目に見えるものとは違い入社してみたら「思っていたのと違った」となりやすい点でもあるからです。
理想が膨らむあまり、実際が見えていなかったりすると、入社後に落胆することにもなりかねませんので慎重に調べた上で検討してから転職することをおススメします。

 ・人間関係

これは正直な所、入社してみないと分からない部分です。

また、他の人には合っても自分に合うかということも自分でしか分からないので、入社後に「自分には合っていなかった」と言って早期退職される方もいらっしゃいます。
これを避けるためには、事前に会社見学などをさせてもらうことによって事前に社内の雰囲気などを確認することです。

2回以上転職している人は「あの時のあの会社は良かった」となりやすい部分でもあるので、仕事内容を理由に転職する場合と同様、あまり理想を膨らませ過ぎず「最低限こんな環境であれば良い」という認識で転職する方が良いでしょう。

会社の人間関係というのは悪すぎると仕事に影響してしまい思った成果をあげられないなどといったことにもなりかねないのですが、仕事上の人間関係にプライベートでの人間関係まで求めすぎるのも本末転倒となるので注意が必要です。

 ・社風

社風というととても大きなスケールの話に聞こえますが、社内での方針や方向性、理念などといった部分と大きく関わっています。
社内での方針は自分自身の仕事にも影響があります。
例えば、数字が挙げられれば多少強引な手を使っても良いという社風の会社で信頼関係を築きながら数字を上げていきたいという気持ちの強い方はなかなか相容れなかったり、会社は拡大の方向性で動いていきたいと考えていても自分はまず地盤固めが必要でないかと考えているなど、自分の動きやすさに大きく関わってくる部分です。

本来であれば入社前によく企業の下調べをして、自分に合うかどうかを見極めておく必要があります。
ただ、会社の経営者や幹部が変わることで方針が変わることなどもあるので、そういった状況の中で合わないと感じた場合には「転職」という手段も一つの方法でしょう。

 ・キャリアアップ、スキルアップ

仕事に意欲的であればあるほど、また年収アップや希望の役職に就きたいなどの希望がある方はキャリアアップやスキルアップを目指す方も多いと思います。
明確な目標がある場合は、その目標を達成できるような環境に身を置くのが一番早いのです。
中には明確な目標がなく、「この会社のやり方しか知らないから他の会社を経験してみたい」という方もいらっしゃいますが、こういった方は注意が必要です。
目的が「他の会社を経験してみたい」になると、経験した途端に目的を達成してしまうのです。

これは経験してみた結果「どうなりたいのか」というイメージを持つことで回避できるでしょう。
キャリアアップ、スキルアップを目的とした転職をする場合は、他の会社へ転職することでどうなりたいのか、そしてそれを叶えることができる会社なのかという見極めが必要になってきます。

〇転職すれば本当に希望は叶えられるのか

大きな転職理由を6つ紹介しました。
きっと、自分はどれに当てはまるかなーと思いながら読まれた方もいらっしゃるかと思います。

転職する前に考えて頂きたいことは、「転職すれば本当に自分の希望は叶えられるのか」ということです。

いくら転職が当たり前の世の中になってきたとはいえ、転職にはリスクがつきものです。1回退職した会社へはなかなか戻ることが難しかったりもします。
そう考えると、やはり慎重に検討する必要があります。

少しでも「こんなはずじゃなかった」という転職を防ぐために、下記のことに注意してよく考えてみてください。

・譲れない条件

自分にとって譲れない条件は何なのかということを考えてみましょう。
1日の大半を過ごす場所として、仕事、職場は人生を充実させるかどうかがかかっています。
自分にとって絶対に譲れない条件を洗い出し、それに沿った仕事、会社を選ぶのがまず第一に必要なことと言えると思います。

・入りたい会社について調べてみる

入りたいと思う会社があれば、徹底的に調べてみましょう。

その際に参考にするのは企業のHPや実際に働かれている方の体験談、社長の名前で検索して記事を見てみる、転職の口コミサイトなどですが、口コミサイトは注意が必要です。
口コミサイトは実際に働かれている方から退職された方まで幅広く匿名で経験談が書かれています。
匿名なので、実際にあったことなのか架空の作り話なのかの判断がつきません。
また、サイトの運営会社の方である程度掲載内容の確認を行って掲載可否の判断をされていることもあります。
参考にするのは構いませんが、全ての内容を鵜呑みにすると真実が見えないこともあるので要注意です。

良くも悪くも、そういった情報を集めることによって自分の判断の材料にできるので、入りたい会社や興味のある求人を見つけた場合には是非徹底的に調べてみてください。

・理想を膨らませ過ぎない

物事には良い面と悪い面があるように、会社にも良いと感じる面、悪いと感じる面がそれぞれあります。

そして、その「良いと感じる」「悪いと感じる」は人それぞれでもあります。

「隣の芝生は青い」と言われるように、自分の今いる環境が良くないと感じると、他の会社が良く見えてしまうのは当たり前のことではあります。
理想を膨らませ過ぎて、期待しすぎると違った時のギャップが激しくなってしまい、必要以上に落ち込んだり落胆してしまったりしがちです。
そして一度転職したことで転職のハードルが下がり、安易な転職に繋がってしまいかねないのです。

理想を膨らませ過ぎず、事前に正確な情報を得るなどして心づもりをしておく方が良いでしょう。

 

〇ブライダル業界で転職後後悔した人の理由~業界未経験者の場合~

ここからはブライダル業界で良く聞く転職を公開した理由についてお話していきたいと思います!

まずは未経験からブライダル業界へ入った際に聞く理由です。

 ・仕事内容

ブライダル業界は一見華やかな世界です。

新郎新婦様やゲスト、沢山の方々の喜びに触れられて、自分自身も幸せに働ける、そんなお仕事です。
それは間違いのないことではありますが、実際に働いてみるとイメージとのギャップが激しいのも事実です。

例えば、仕事内容その1意外とデスクワークや細かな作業が多い。

ブライダル業界で人気の仕事と言えばウェディングプランナーやドレスコーディネーターです。
常にお客様と会話があってお客様の幸せをお手伝いしているイメージではありますが…。
実際にはデスクワークや細かな作業が多いのです。
お客様との接客は土日祝日が主になり、週5日勤務のうち2日間だけです。残りの3日はデスクワークや衣裳のメンテナンス、各種準備など華やかさとはかけ離れた地味なお仕事です。

デスクワークは地味なお仕事ではありますが、とても大切なことです。
お客様の結婚式を支えているのはこの準備一つ一つをぬかりなく行うことができるかという点です。
ミスがあっては決して許されないからこそ、抜け、漏れの無いよう念入りに何重にもチェックを重ねます。
そういった仕事内容を理解できるのかが大切です。

仕事内容その2クレームや要望に対する板挟み。

お客様は一生に一度の結婚式、長年夢見てきたことを実現される為に沢山のことを考え、期待に胸を膨らませて来館されます。
その期待に応えてお客様の希望を叶える素敵なお仕事♡と思われがちですが。。。

会場側には限度というものがあります。それは設備的な問題であったり、人員的な問題であったり、費用的な問題であったりと理由は様々ですが、中には叶えて差し上げられないことがあるのも事実です。
また、そのように期待いっぱいのお客様だからこそ、望まれる希望も高いので少しでも気になる点があればクレームになりやすいのです。
いかにそのクレームに対応するかの対応力を求められますし、お客様の希望と会場側の制限との板挟みになってしまうのも辛いものがあります。
こういった現実を知っているか知らないかで、入社後のギャップが変わってきますね。

仕事内容その3数字意識。

ブライダルはお客様の「一生に一度」「大金をかける」「やり直しがきかない」といった希少性から、
「お客様の希望を全て叶えられるプランナーになりたい!」
「お客様に本当に似合う衣裳をコーディネートできるドレスコーディネータになりたい!」
と夢を持ってブライダル業界へ入ってこられる方は多いです。
もちろん、その気持ちはとても大切な気持ちですし、だからこそ頑張れる部分もあるのですが…。
 ウェディングプランナーもドレスコーディネーターも、大きく分類すると営業、販売という職種になります。

ブライダルといえども、営利企業です。
ウェディングプランナーがお客様の結婚式を受注し、商品を売ることで会社の利益を上げることで会社を継続していくことができます。
逆に言うと、それができないと会社としては運営していくことができなくなってしまいます。
なので、ウェディングプランナーは成約数や売上などで評価される会社が多くなっています。
やはりお客様の満足度を重視する業界ではあるので、無理なノルマを課せられることはないことがほとんどですが、「お客様に無理に提案している」と感じてギャップを感じて「思っていた仕事と違った」と思う方が多いのも事実です。

 ・休日、勤務時間

ブライダル業界は時に「ブラック」と言われることもあります。
それはズバリ、休日が少なく勤務時間が長いという点から言われることです。
サービス業は全体的に休日が少なく、年間休日が100日~110日前後の企業が多いのですが、ブライダル企業に関しても平均的には同程度になっています。
ちなみに、土日祝日が休みで、GW、夏季・冬期休業がある企業であれば大体年間休日は120日前後となります。年間で10日~20日ほど休日日数が違うのです。

なぜかというと、ブライダル企業は前述の通りサービス業で、一般的な会社員の方が休んでいる時に働く事でお客様を呼び込むことができます。
ブライダル業界では多くの企業で月〇日休みであったり、週休2日と決まっていたりする企業がほとんどです。
お客様ありきの商売でもあるので、お客様の利便性を考えると年間休日数は一般的な企業よりは少なくなってしまうのが現状です。
最近はブライダル企業の中でも大手の企業は年間休日を120日前後確保するようにされている企業も増えています。

勤務時間に関してもお客様の利便性を高めることで「お客様に選んでもらえる」という点で仕事帰りのお客様を呼び込むことができるよう、平日は遅くなりがちです。
例えば、仕事帰りの18時半頃にお客様が打ち合わせに来られると、そこから1時間~2時間程度打ち合わせをするだけでお客様のお帰りが20時~20時半過ぎになります。
その時間から更に打ち合わせの内容をまとめたり、事務処理を行うので実際に仕事が終わるのは22時や23時になることも多々あります。

また、休日に関しては婚礼が入っていることが多く、婚礼は早ければ朝6時頃から準備が始まることもあります。そして2次会なども行う会場であればスタッフが帰れるのは日をまたぐ頃…なんてことも。

いずれにしてもお客様第一優先の仕事なので、働く側の環境としては厳しいということもあります。
ただ、これは会社や仕事内容によっても変わってきますし、良い人材の流出を防ぐためにも多くの会社が改善を重ねていっている最中ですので、今後変わってくる可能性は十分にあります。
とはいえ、中小企業が多数を占めるブライダル業界ではまだまだハードな環境での勤務となることは往々にしてありますので、覚悟を決めて飛び込む方がよいでしょう!

 ・人間関係

これはブライダル業界に限らずどの業界、どの企業でもあることですので取り立ててブライダル業界がというわけではありません。

ただ、ブライダル業界で起こりやすいことについてお話できればと思います。

ブライダル業界は上述の通り、決して「楽な仕事」ではなく働く環境も整っていない企業の方が多くあります。では、何故ブライダル業界の人気が高いのかというと、「お客様の喜ぶお顔を間近で見ることができる」「お客様に感謝してもらえる、やりがいがある」という点で志望される方が多くなっています。

仕事に求めるものが「環境」「お給料」「働きやすさ」ではなく「やりがい」「理想追求」であることが多いので、仕事に対して一生懸命でこだわりが強く信念を持った方が多いのが事実です。
モチベーションの高い、良い環境でもあるのですが、時にそのこだわり同士がぶつかってしまったり、「お客様に喜んで頂く事」と「会社の方針」とが相容れなかったりすることもあります。
そうすると個々であったり、上司対部下といった人間関係の中でやりづらさを感じてしまうこともあるようです。

また、こだわりが強い方が多く、「お客様の為に」という思い入れも強い方が多いため、主張も強くなってしまいがちで、それもぶつかる原因の一つとなっています。
違う視点から捉えると、それぞれがそれぞれにお客様に対して純粋に「より良い結婚式になるお手伝いをしたい!」「新郎新婦様にもゲストの皆様にも喜んで頂きたい!」と思っているスタッフが多いということ。そしてそれがただ単にうまくかみ合っていないということだと思うので歯車が上手く噛み合えば最高の仲間になるということだと思います。

〇ブライダル業界で転職後後悔した人の理由~業界経験者の場合~

次にブライダル業界経験者が後悔した理由です!
上述したのはブライダル業界未経験者がブライダル業界へ入った時に後悔した理由でしたが、次はブライダル経験者が他社へ転職した際に後悔した理由です。

 ・評価制度や給与面

ブライダル業界経験者は業界内のことや仕事内容については承知の上で転職をされます。
しかし、評価制度や実際の給与面に関してはあまり表に出る内容ではないので入社した後に「思ってたんと違う!」となりやすい点になります。
ブライダルは中小企業がほとんどですので、評価制度などについても制度がしっかりしている会社とそうではない会社とあります。
そしてその評価が給与に直結するかどうかというのもまた企業次第となります。

前職の時に評価が給与に直結していた場合、そうではない企業へ転職してしまうと仕事へのモチベーションが下がってしまうのも致し方ない部分でもあるかもしれませんが、転職してしまった以上は他に良い点を見つけて自分でモチベーションを維持していく方が前向きで良いのではないでしょうか。

もし事前に対策を打つとすれば、面接時に評価制度等について質問するのも良いでしょう。
よく「面接時には条件面の質問をするのは良くない」と言われますが、同じ業界内、職種ですので確認する程度であれば問題はないでしょう。入社後のギャップを無くすためという前提で深堀りし過ぎずに他の質問と混ぜてサラッと聞くのが良いでしょう。

 ・仕事内容など

「ブライダル」と一言で言っても、専門式場、ゲストハウス、ホテル、リゾートウェディングと業態は様々です。
それによっても仕事内容や業務量などは大幅に変わってきます。
経験がない業態の企業へ入った場合、以前の仕事内容とは変わってくることもあります。

例えば、新規接客から打ち合わせまで一貫制の企業で働いていた人が分業制の企業へ転職した場合、それぞれのメリットやデメリットが分かるのでやりにくさを感じることもあるでしょう。
また、ウェディングプランナーは結婚式当日新郎新婦様と一緒に過ごせる会場もあれば当日のキャプテンやアテンダントに全てをお任せしてあいさつ程度しかできない会場もあります。

そういった「これまでの仕事内容」と「転職先の仕事内容」を比べてしまい、以前のやり方を好む場合、やりにくさを感じてしまうこともあるようです。
いずれにしてもそれぞれの企業でお客様やスタッフ、会社にとっての最善の方法を考えてのやり方です。そのやり方それぞれのメリットを認識し、そのメリットを最大限発揮できるように努力するのがプロのスタッフといえるのではないでしょうか。

 

どのようなケースにしても、業界経験者の後悔した理由で多いのは「前の会社とこんなに違う」ということです。
これは業界経験者でなくても転職をした方がお話になることが多い内容でもあります。

新卒で入社した会社にはある意味刷り込み現象が起こり、1社目での経験がその方にとっての「基準」になります。ですので、それと違うと違和感が強くなってしまいます。
特に1社目で魅力に感じていた内容が2社目で違うと「前の方が良かった」となりかねません。
また、同じ業界で働く友達が多い場合は、良くも悪くも「これが普通」といった会話になりやすいものです。それによって「普通じゃないんだ…失敗した」と思う方もいるようです。

大切なことは、転職という道を選んだからには前に所属していた会社のやり方を引きずるのではなく、新しい会社にいかに早く馴染んでいくかということだと思います。
前の会社のやり方や魅力に縋っていても良いことはありません。
未来を向いて、その環境の中でいかに楽しく、やりがいを持って働くかということに注力する方が良いでしょう。

 

まとめ

 いかがでしょうか。
転職して後悔する人もいれば転職してよかったと思う方もいるでしょう。
事前によく企業研究を行い、本当に自分がこの会社で働きたいのか、この会社で何がしたいのかということを事前に明確にしておくことで後悔する転職は避けられることが多いと感じます。
そして転職してしまった後には過去を振り返るばかりではなく、入社した会社で自分がどのように活躍できるよう前向きに考えていきましょう!

ABOUT ME
藏田 紘子
医療秘書専門学校卒業後は約3年、医療法人理事長、院長、歯科医師の元で医療秘書として務める。 秘書としてマナー、接遇のスキルを学び、もっと接客のスキルを磨きたいと考えウエディングプランナーに転職。 約7年間、延べ450組のカップルのご結婚式のお手伝いをする傍ら、新人教育にも携わる。 新人教育に関わる中で、「人として」「社会人として」の在り方の部分に触れる教育がしたいと考え、美容専門学校ブライダル課にて講師を務める。 専門学校ではビジネスマナーやフォーマルスペシャリスト検定、ブライダル基礎知識などの授業を担当し、学生が社会で活躍できる人材となるよう尽力した。 現在は人材紹介会社にてブライダル講師、ブライダル業界への人材紹介を担当している。
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