しきたり

結納の基礎から実際まで

 

結婚式を行う前に、多くのカップルが悩む結納。

「結納ってやらなくちゃいけないの?」そう思っている方も多いでしょう。

そこで今回は結納の基本的な知識から、実際の流れを詳しく解説していきます!また結納を行なうメリットやデメリット、必要となる費用もご紹介します。結納をしようか迷っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみて下さいね。

何故結納を行なうの?

 

日本では何故、結納が行われるのでしょうか。結納は日本ならではの独特なイベントです。まずは結納を行なう意味や、「両家の顔合わせ」との違いをご紹介します。

公に婚約を確認するため

結納とは、いわゆる「婚約を確認する場」です。結納には正式に家族の前で婚約を確認する、という意味があります。ちなみに婚約を確認するイベントとしては「プロポーズ」が挙げられますが、それは結婚する2人の間の約束です。また、形式的なものではありません。結納はこうした2人の婚約を、より形式的に家族の前で確認するという意味を持ちます。そのため結納は、両家の家族が揃った場でとりおこなわれます。

結納は千年以上も前からある歴史的な儀式

日本の伝統的な儀式である結納には長い歴史があります。結納が始まったとされるのは、なんと約1,400年以上も前のこと。仁徳天皇が国を治めていた時代です。このときの皇太子が、花嫁に贈り物を贈呈したことが結納の期限とされています。

 

そしてこの時に贈られたものが「結納品」と呼ばれるようになりました。当時は農産物や着物など、あらゆるものを結納品として贈っていたそうです。しかし現代においては、結納品も形式的なものになっています。また結納品の一部を「結納金」として、現金を交換するならわしへと変化しました。

「両家の顔合わせ」とは異なるイベント

よく結婚式の前に行なわれるのが、「両家の家族同士の顔合わせ」です。つい顔合わせと結納を同じものだと考えてしまいがちですが、実はこの2つは全く異なるイベントです。

 

結納は先ほどご紹介した通り、「公の場で婚約の確認をする」ためのイベントです。しかし両家顔合わせは、「両家の親睦を深める」ために行なわれるものなのです。つまり、それぞれ開催する目的が異なります。どちらかというと結納の方が形式的で、かつ伝統的です。それに対し、顔合わせは特に形式的な決まりや伝統はありません。顔合わせの場合は、カジュアルな食事会がメインとなります。

 

結納は必ずするべき?

 

ここまで結納が日本の伝統的な儀式であることをご説明しました。「じゃあ結納は必ずした方がいいの?」そう思った方も多いでしょう。ここからは結納を開催するかどうか、ということについてご説明します。

結納はしてもしなくてもOK

結論からいうと、結納は必ずしなくてはいけないものではありません。つまり、「しなくても問題ない」ということです。近年のカップルの内、結納を行ったと答えたのは全体の約20%とされています。つまり残りの約80%は結納をしていないということです。

 

また結納の代わりに両家の顔合わせを開催する、というカップルも少なくありません。結納は意義のあるイベントである反面、準備の手間やお金もかかります。そのため無理して開催せず、自分たちの予算や忙しさを加味して検討すると良いでしょう。

両家の意志を尊重して決定するのがおすすめ

結納をするかしないかという判断は、家族も交えて決めることをおすすめします。両親や祖父母の時代には、今よりも「結納をすることが当たり前」だという風潮がありました。さらに、現在も結納が当たり前に行なわれている地域もあります。

 

そのため、家族の中には「結納をして欲しい」という方がいるかもしれません。もし結納をして欲しいという声があれば、その意見を尊重することをおすすめします。両家の納得の上で結納を行なうかどうか、慎重に検討してみて下さい。

結納の種類

 

実は結納には、複数のスタイルがあります。結納を行なう場合は、どのスタイルの結納にするか決める必要があるのです。そこで、ここからは意外と知られていない結納の種類についてご紹介します。

正式結納

最も格式高く、日本の伝統的な結納が正式結納です。正式結納には「仲人(なこうど)」と呼ばれる人の手配が必要となります。

 

仲人はその名の通り、両家の間を取り持つ存在です。まず仲人は結納の前日、もしくは当日の朝に新郎側の家へ訪れ、「結納飾り」などといった品を預かります。その後仲人は新婦側の家に向かい、結納をとり行います。その際、新郎側の家から預かったものを新婦側の家に贈呈します。新婦側の家族はこの際、仲人に対して昼食をもてなし、受書を仲人に渡します。

 

そして仲人は再び新郎側の家におもむき、預かった受書を届けるという流れです。このように、正式結納の場合はとにかく仲人が1日がかりで両家を往来します。さらに当事者の家族同士が直接会わないというのも、正式結納の特徴です。近年では仲人の負担を加味して、正式結納を行なう方はほとんどいません。

 

略式結納

近年において、結納を行うほとんどの人に採用されているのがこの略式結納です。略式結納は、先ほどご紹介した正式結納を簡略化した結納スタイルといえます。まず略式結納の場合は仲人がいません。仲人を立てずに、新郎・新婦の家族が料亭やレストランに直接集まります。

 

そこで結納品や結納金などの受け渡しや、結婚に向けた挨拶・打ち合わせなどを行なうのが略式結納です。また、詳しい段取りについては後ほど詳しくご紹介します。正式結納と比較して、略式結納は時間も手間もかからないというメリットがあります。

 

地域で違いがある場合も

実は結納のスタイルは、地域によっても差があります。地域ごとの結納スタイルは「関東式」と「関西式」に分けられます。それぞれにどのような特徴があるのか見ていきましょう。

関東式結納

関東式の場合、新郎新婦どちらも家族からも同等の品を贈呈します。つまり同じグレードの結納品を交換する、というスタイルです。

関西式結納

関西式結納では、新郎から新婦に対して結納品を贈呈します。新婦側からの結納品は無いのが特徴です。

 

このように、地域によって結納品の贈り方が異なります。そのため略式結婚式を行なうにしても、どの地域の結納スタイルを採用するか検討する必要があります。自分たちの地域の結納スタイルが分からない場合は、両親や家族の意向を尊重したスタイルを取ることをおすすめします。

結納を行なうメリット

つい面倒に思えてしまう結納ですが、実はメリットも多いイベントです。ここからは、結納を行なうメリットについてご紹介していきます。

結婚する実感や覚悟が沸く

結婚式の前に結納を行なうことで、改めて結婚へのモチベーションが上がります。中々結婚式をいざ行なうまでは、「結婚」ということへの実感が沸かないものです。しかし、結納を行なうことで結婚への意識が高まり、実感が沸くというメリットがあります。

 

また、結納を行なうことで結婚への覚悟が決まるという声も多数。伝統的な儀式を経て、結婚に向けて一層気を引き締められるというメリットもあるようです。さらに結納は形式的なイベントでもあるので、結婚式の練習という意識で臨むのもいいかもしれません。結婚式の当日に緊張して失敗したくないという方は、結婚式前に結納式を行なっておくのもおすすめです。

 

日本の伝統的な儀式を体験できる

結納は約1,400年も前から伝わる、日本の伝統的な儀式です。カジュアルな結婚式を目指す人にとってはあまり魅力的ではないかもしれませんが、こういった儀式を体験できるのは人生に1度きり。結婚式はよく「一生に一度」といいますが、それは結納も同様です。結婚式をする前の、このタイミングでしか体験できない貴重なイベントといえます。結納式はきっと印象深い思い出になることでしょう。

 

後から「やっておけばよかった…。」と思ってしまいそうな方は、予め結納を行なうことをおすすめします。

 

家族同士の仲が深まる

略式結納の場合は、両家が1つの会場に集まります。そのため両家の家族同士がお互いを知る、いい機会にもなるのです。両親は相手家族のことについて、意外と知らないことがたくさんあります。「どこ出身の方なのか」「お仕事はどんなことをしているのか」など。

 

このようにいざ直接会わないと聞けないようなことも、結納で知ることができます。お互いの家族への理解が深まることで、より結婚式への期待や安心感も生まれるでしょう。新郎新婦としても、両家の家族が仲良くなってくれれば安心です。

両親がよろこぶ場合も

「結納をして欲しい」という両親や祖父母の方は少なくありません。多くのご家族が、「自分がそうしたように、娘息子にも結納を経験してほしい」と思うものです。実は、新郎新婦当人は結納に前向きではなくても、こうした両親の声を受けて結納を行なうカップルも多いのです。

 

両親の声を尊重して結納を行なえば、もちろん親は喜ぶでしょう。そしてスムーズに結納が済めば、きっと自分たちにとっても良い思い出になるはずです。両親やご家族の誰かが結納をして欲しいという意志がある場合は、それを尊重することをおすすめします。

結納を行なうデメリット

ここまで結納のメリットをご紹介しました。しかし、結納はメリットばかりではありません。ここからは結納を行なうデメリットについてご紹介します。ぜひこちらもあわせてご確認ください。

準備に手間がかかる

結納は形式的なイベントであるため、準備に少々時間と手間がかかります。結納の準備については後ほど詳しくご説明しますが、会場の手配から結納品の準備、当日の段取りの決定など、考えることが多数あります。

 

また、両家双方に失礼がないよう、場所は中間地点を選ぶなどといった配慮も必要です。こうしたことを加味すると、「結納はしない」というカップルが多いのも納得ですね。また、結婚式を急いで行なう場合は、結納の準備や開催にかける時間がない可能性があります。結納を行なう場合は、時間に余裕を持って準備を始めましょう。

 

費用がかかる

当然ながら、結納をするにはお金がかかります。結納にかかる費用については後ほど詳しくご紹介しますが、一般的に結納式にかかる費用は約10万円が平均とされています。これは当日の食事などを含めた値段です。

 

これに加えて、結納金などといったお金が別途必要となります。もちろんこうした費用を全額、新郎新婦が負担する必要はありません。両親が負担してくれるケースも多数あります。そのため、結納を開催する場合は費用のことを両親に相談してみるのも良いでしょう。

 

雰囲気が固く緊張する場合も

結納は決まった段取りや流れに沿って行います。人によっては、この堅い雰囲気に緊張してしまうこともあるでしょう。できるだけ緊張をせず、カジュアルに済ませたいという方には、結納は合わないかもしれません。その場合は結納ではなく、「両家の家族顔合わせ」を行なうことをおすすめします。

 

ただし、結婚式の予行演習としてこの緊張感を味わっておくというのも1つの考え方です。「本番で失敗したくない!」という方は特に結納をやっておくことで、本番の緊張がやわらぐかもしれません。

 

正式結納に必要なアイテム

結納は顔合わせと異なり、決められたアイテムが必要となります。そこでここからは結納に必要となるアイテムについてご紹介します。まずは正式結納に必要なアイテムから見ていきましょう。

結納品(9品)

まず、正式結納で必要となるのが結納品です。正式結納の場合、結納品は基本的に9品が正式な数とされています。ただし必ずしも9品でなくてはいけない訳ではなく、割り切れて縁起が悪いとされる偶数でない「3・5・7・9」という数字であれば問題ありません。

 

また、結納品の内容は関東式と関西式で異なります。

それでは、それぞれの結納品を見ていきましょう。

 

関東式の場合

関東式結納の場合、以下のような品物を結納品として用意します。

 

結納品 アイテムの説明
目録 結納品一覧を書いたリスト
末広(すえひろ) 白い色の扇子
友白髪(ともしらが) 白い色の紐や麻糸
家内喜多留(やなぎだる) 食事とお酒にかかる費用
寿留女(するめ) スルメ
子有婦(こんぶ) 昆布
金宝包(きんぽうづつみ)

御帯料(おんおびりょう)

結納金
長熨斗(ながのし) あわびをのしたもの

 

このように、関東式の結納品はお金と縁起物で構成されています。

関西式の場合

関西式結納の場合、以下のような品物を結納品として用意します。関西式は5品~9品の結納品を用意するのが一般的です。

 

結納品 アイテムの説明
高砂(たかさご) 白髪の老夫婦の人形
末広(すえひろ) 白い色の扇子
松魚料(まつうおりょう) 食事にかかる費用
家内喜多留(やなぎだる) お酒にかかる費用
寿留女(するめ) スルメ
子有婦(こんぶ) 昆布
小袖料(こそでりょう) 結納金
結美和(ゆびわ) 婚約指輪
長熨斗(ながのし) あわびをのしたもの

 

末広や昆布・するめなどといった縁起物は関東式と同様です。その他に関西式では高砂と呼ばれる人形を贈るのが一般的とされています。さらに、結納品として指輪を贈呈するのも関西式ならではの特徴です。

 

婚約記念品

婚約記念品には、指輪や時計などといった宝飾品を用意するのが一般的です。例えば新婦側から新郎側に渡す婚約記念品には「時計」を選択するなど。本人の希望に沿ったものを贈ることも少なくありません。

 

また、新郎側から新婦側に渡す場合は「指輪」が多く用いられます。ただし関西式結納の場合は、指輪が既に結納品の中に含まれているので、それ以外には必要ありません。ちなみに、婚約指輪を既に渡している場合は目録に記載するだけでも問題ありません。

結納金

結納金は、新郎側から新婦側の家族へ贈られるお金です。これは女性が嫁入りをするための準備に充てられるお金として、昔から贈られてきました。気になる平均額は約92万円。「高い!」と感じる方もいるかもしれませんが、額に決まりはないので無理のない金額設定をすることをおすすめします。ちなみに結納金は50万円などといったキリのよい数字を選ぶ方も多数。「4」など、死を連想させる数字や縁起の悪い金額はおすすめしません。

 

また、結納金を受け取ったら新婦側が結納金にお返しをします。これを「結納返し」と呼びます。結納返しの平均的な相場は約38万円。これもまた、金額に決まりはありません。ただし、関東では結納金の半分を結納返しするのが一般的とされています。これに対し、関西では結納金の1割を返すのが一般的です。このように結納返しには地域差があるので、今ではお金でなく品物でお返しするパターンも増えています。

 

受書

結納品を受け取ったことを証明するのが、この受書です。一般的には結納品を受け取った際に、受け取り側がこれを記載して渡す、という流れです。しかし近年では結納品そのものに受書が同封されていることが多数。

 

また正式結納で仲人がこの受書を届けることは、近年めったに見られません。そのため、結納品を購入した側が当日に受書を持参し、相手側から改めて渡してもらうという流れになっています。

家族書

家族書とは、お互いの家族の名前や続柄を記載する書面です。家族書には決まったテンプレートがあるので、それに従って当日までに準備をすれば問題ありません。また、家族書に記載するのは新郎新婦にとって二等親以内にあたる家族の名前です。それ以外の人が結納に出席する場合は、三等親以内の親族を記載する「親族書」が必要になる場合もあります。

略式結納に必要なアイテム

 

ここまで正式結納に必要なアイテムをご紹介しました。それではここから、略式結納に必要なアイテムを詳しくご紹介していきます。

結納品(3~9品)

略式結納において、結納品は交換してもしなくても問題ありません。ただし「せっかく結納を行なうなら、結納品を交換したい!」という方も多数。そのような場合は、3品~9品の結納品を用意するのが一般的です。このとき結納品の数は正式結納のときと同様、3・5・7・9という割り切れない奇数で用意しましょう。

 

略式結納で結納品を用意する場合、最低限用意しておきたいのは以下の3点です。

 

結納品
末広(すえひろ)
御帯料(おんおびりょう)
熨斗(のし)

 

さらに結納品を豪華にする場合は、正式結納と同じ結納品を足していきましょう。

結納金

結納金は正式結納と同様、略式結納においても必須となるアイテムです。結納金の平均額は約92万円。50万円、といったようにキリの良い金額を贈るのが一般的です。

 

また、金額設定はお返しの事も考えて行ないましょう。お返しをするのか、しないのか、またする場合は結納金の何割を返すのか、両家に無理のないように決めていくことをおすすめします。ちなみに結納返しはなし、もしくは結納金の半分、または3分の1とするのが一般的です。

 

受書

受書は結納品を受け取ったことを示す証明書です。結納品がある場合は、受書もあわせて用意しておきましょう。ただし近年では結納品を購入する際、同時に受け書が付けてくることも多数。その場合は新郎側が当日に忘れず持参しましょう。

 

家族書

家族書は新郎新婦にとって二等親以内の家族の名前と続柄を記載する書類です。略式結納において、家族書は省略しても問題ありません。用意する場合は、決まったテンプレートを見て記載しましょう。家族書は当日持っていると便利なアイテムです。

 

結納にかかる費用

気になるのが、結納にかかる費用です。ここからは結納にどのくらいのお金がかかるのか、ご紹介します。

食事や結納式にかかる費用は平均で約10万円

結納をするには、会場を抑える必要があります。さらにそこでは食事も提供されます。この場所代と食事代でかかる費用を平均すると約10万円です。この費用は両親が負担する場合もあれば、新郎新婦が折半して自己負担する場合もあります。

 

ただし近年ではこれよりも安く結納が行えるプランを展開している料亭やホテルなども多数あります。費用を抑えたい方は、そういった格安プランを打ち出している会場を探すのがおすすめです。

 

結納金の費用は平均で約92万円

食事や結納式の他にかかる費用が、結納金です。これは新郎側の家族から新婦側の家族に贈られるお金で、場合によっては新婦側家族からの結納返しが行なわれます。この結納金の平均費用は約92万円。キリの良い数字として、100万円を贈る場合も多いようです。ただしこの金額はあくまでも参考です。実際に結納金として包む金額は、両家相談のもと決めることをおすすめします。

 

結納をするための事前準備

それではいよいよ、結納をするための事前準備についてご説明します。スムーズに結納を開催するためのご参考にしてください。

①日付と開催場所を決める

まずは結納を行なう日付と場所を決めましょう。結納は、一般的に結婚式の3~6か月前に行ないます。そのため、結婚式の4~8ヶ月前くらいには結納の準備を始めましょう。

 

結納には両親、そして兄弟が出席します。全員の予定を聞いたうえで早めに日程を決めておくと良いでしょう。ちなみに日柄を気にする場合は、「大安」にあたる日での開催がおすすめです。もちろん、日柄を気にしなければ出席者の予定を優先して日程を決めて問題ありません。

 

結納の会場は、基本的に新郎新婦の実家の中間地点にあたる場所がベストです。もし良い場所が無ければ、現在新郎新婦が住んでいる地域を選択するのも良いでしょう。

 

また、お店は料亭やホテルのレストランなどが一般的です。結納専用の食事プランを設けているお店も少なくありません。こういった場所を選べば、当日の料理の提供なども安心できるでしょう。日程と場所が決まったら、すぐに出席者にアナウンスをして予定を開けておいてもらうようお願いしましょう。

 

②結納のスタイルを決める

続いて決めるのは結納のスタイルです。スタイルといっても、今ではほとんどの方が略式結納を選択しています。略式結納で問題ないか、また地域ごとのしきたりやならわしがないかどうか、念のため家族に確認を取りましょう。

③結納金の額や婚約記念品を決める

結納金の額や婚約記念品については、両家であらかじめ了承を取っておく必要があります。まず結納金ですが、これは無理のない額で設定しましょう。またお返しをする場合は、返す方の負担も考慮することが必要です。

 

また、婚約記念品は用意しないというパターンもあります。準備の費用や手間を考えて、どのようにするか検討しておきましょう。

 

さらに、当日の手土産を持参するかどうかも両家ですり合わせておくと安心です。片方だけが持ってきてしまうといったことがないようにしましょう。

 

④結納品を購入する

結納品を用意する場合は、当日までに品物を揃えておきましょう。結納品はデパートや百貨店、専門店などで購入することができます。ちなみに結納品を両家から渡す場合、それぞれの結納品に差ができないよう、同じグレードのものに揃える必要があります。お互いに結納品を交換する場合は、両家の分を一度に同じお店で購入すると安心です。今では金額に応じた「結納品セット」といったものもあります。グレードを揃えるにはこうした結納品セットを購入しておくと良いでしょう。

 

ちなみに結納品セットは組み立ての必要なものがほとんどです。事前に一度開封し、組み立てて正しい持ち方などを把握しておくことをおすすめします。

 

⑤当日の流れをおさらいする

結納品は揃ったので、後は当日の流れを確認するだけです。

チェックしておきたいポイントは以下の通りです。

 

・当日の席次

・当日の流れ

・当日の口上

 

特に席次については、会場のスタッフにも伝えておくと安心です。正しい席に誘導してくれる場合があります。また、流れについては結納品の渡し方や受け取り方、またその順番などについて確認しておきましょう。結納には話すシーンも度々あるため、口上をあらかじめ考えて練習しておくと安心です。

 

略式結納の当日の流れ

それではいよいよ結納の当日の流れをご紹介します。ここでは近年多く採用されている、略式結納の流れを詳しくご紹介します。略式結納の流れは以下の通りです。

 

①新郎父親が挨拶をする

②新郎が結納品を渡す

③新婦が結納品を受け取る

④新婦が結納品と受書を渡す

⑤新郎が結納品と受書を受け取る

⑥新郎新婦の締めの挨拶

⑦新郎が挨拶をする

 

このように、基本的に結納で行なうのは結納品と受書の受け渡しのみです。あとは新郎父や、新郎本人からの挨拶があるだけで、とりわけ長時間の式が続くわけでもありません。1点注意しておきたいのは、当日の進行は基本的に新郎新婦が自ら行うという点です。つまり当日の段取りや、受け渡しの際の言葉を事前に把握しておく必要があります。挨拶や受け渡し時の台詞については決まったテンプレートがあるので、あらかじめ調べてご参考にしてください。

知っておきたい!結納をする際の注意点

要点さえ抑えれば、結納は非常にスムーズにとり行うことができます。しかし、結納には気を付けるべき注意点もあるのです。最後に、結納をする前に知っておきたい注意点についてご紹介します。

新郎新婦と両親の服装

結納には基本的なドレスコードがあります。新郎新婦・それぞれの両親の理想的な服装をご紹介します。

 

まず新郎は、スーツを着用しましょう。シャツは白が基本で、色付きや柄物は控えます。ネクタイの色や柄は華やかなものでも問題ありません。また和室で結納を行なう場合は靴を脱ぐため、靴下にも気を遣いましょう。

 

新婦は落ち着いた膝下丈のワンピース姿が理想的です。色は華やかなもの(ピンクなど)でも問題ありません。むしろお祝いの席なので、黒などといった暗いカラーは控えましょう。またお辞儀をするシーンが多いため、髪が邪魔にならないようにまとめておくことをおすすめします。アクセサリーは付けていても問題ありませんが、華美になりすぎないようなものを選びましょう。

 

新郎新婦の父親は白いシャツにスーツ姿が基本です。ネクタイの色は新郎よりも明るくならないように配慮します。さらに和室の場合は靴を脱ぐので、新品の綺麗な靴下を用意しましょう。また、革靴は事前に磨いておくと安心です。

 

新郎新婦の母は落ちつた膝下丈のワンピース、もしくはセットアップが一般的です。新婦よりも派手にならないように配慮します。また、和室で靴を脱ぐ場合はストッキングの上から白い靴下を履くのがマナーとされています。会場が和室の場合は白い靴下を持参しましょう。

 

結納の席次

結納を行う際は、部屋の奥から新郎新婦・父親・母親・兄弟の順番で座ります。女性が嫁入りする場合は新郎家族が上座に、男性が婿入りする場合は新婦家族が上座に座るようにしましょう。もし上座の位置が心配な場合は、会場のスタッフに聞いておくと安心です。

 

また和室で結納を行う場合、結納式の最中は座布団に座らないのがマナーとされています。結納式を行なっている間は座布団からおりて、結納品の受け渡し等を行なうようにしましょう。

結納品の包み方

結納品は、必ず「風呂敷」に包むのがマナーです。紙袋やビニール袋に入れて持ち運ばないようにしましょう。また結納品を包む風呂敷には、「結び目」を作らないのがポイント。これは結び目をほどくという行為が、縁起が悪いとされているからです。風呂敷は結び目を作らない、慶事用の「平包み」という方法で包みましょう。

 

また、結納品を渡し終えた後は風呂敷を結んでも問題ありません。自分たちで持参した風呂敷は結んで忘れずに持って帰るようにしましょう。

 

「忌み言葉」に注意

結納や結婚式などおめでたい席では、「忌み言葉」と呼ばれる言葉に注意しなくてはなりません。これは不吉さを連想させる言葉のことです。例えば「別れる」「離れる」などといった言葉が例に挙げられます。他にも忌み言葉は色々なものがあるので、事前に把握しておきましょう。特に挨拶や締めの言葉の中に忌み言葉が入らないように、注意が必要です。

 

まとめ

結納の基礎や流れについてご説明しましたが、いかがでしたか?結納は結婚式へのモチベーションを高める大事なイベントです。結納を行なわないカップルも多いですが、行なえば一生の思い出になるでしょう。ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、思い出に残る結納を開催してください!

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